治療
甲状腺機能低下に対する治療
- (1)内服治療
- 甲状腺機能低下症(甲状腺ホルモンが足りない状態)になっているときには、治療が必要となります。この場合、適切な量の甲状腺ホルモン薬(商品名:チラーヂンS)を内服し、足りないホルモンを補充します。
- (2)治療の要否
- 甲状腺機能低下症では甲状腺ホルモンの補充治療を行いますが、甲状腺機能が正常な場合は基本的には治療は必要ありません。しかし、妊娠中など特殊な状況では機能正常でも内服治療を行うことがあります。
- (3)治療上の注意点
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- 急に大量に服用すると心臓に負担がかかることがあるため、高齢者、心臓に病気のある方、機能低下が著しい方には少量から服用を始め徐々に増量します。
- 一時的な低下症の場合はその後徐々に薬の量を減量できる場合がありますが、永続性の甲状腺機能低下症の場合は適量を継続する必要があります。
- 治療をせず低下症が続くと代謝がおちるため、血中コレステロールが高値となり動脈硬化を早めたりすることもあります。また、内服量が多すぎる場合は心臓や骨に負担がかかることがありますので、定期的に検査をして適量の甲状腺ホルモン薬を内服することが大切です。
甲状腺腫大に対する治療
橋本病による甲状腺腫大に対して、治療は基本的には必要ありません。ただし、甲状腺が非常に大きく硬くはれ、頚部の圧迫感のため嚥下困難が強い、前かがみになれないなど生活に支障が出るような時には、手術で甲状腺腫を取り除くことを検討する場合があります。